私がこの小さな建物と出会ったのは、2009年の秋でした。当時、古くてくすんだこの家は、家主を失って、私道の奥にひっそり佇んでいました。狭い入り口からは想像がつかない中庭、何度も背を低くして進む地下室、まっくろくろすけが出てきそうな屋根裏部屋、築50年の歴史を感じさせる柱や梁。この小さな民家で、古くて暖かいものを残しながら、楽しくてわくわくすることがしたい・・・そう思った時、一羽のモアノ(Moineau/スズメ)が私のこころをくすぐったのかもしれません。

人情味豊かな東京の下町、谷中・根津・千駄木界隈と、洗練された芸術の森、上野に挟まれたこの場所は、全てを包んでくれる懐の深さがあります。

かつて、芸術の都パリには、新鋭の芸術家達が集うカフェがあり、そこで生まれたアイデアは、世界へ飛び立っていったと聞いています。
 気鋭のアーティストや、芸術に興味を持つ一般鑑賞者、ひと時の安らぎを求めるカフェ利用者たちが、集い、繋がる場所を提供できたらと、この「Café et Galerie Moineau(モアノ)」を作りました。

Moineauが、「世の中に何かを伝えたい」と願い自分なりの「表現」を模索している人の発表の場となり、また、歴史や芸術に惹かれ、食べることに喜びを感じる人にとって最もくつろげる場所となり、そして、Moineauに来てくださった全ての人達が身も心も充電されて、上を向いて歩き出す「一歩」のお手伝いができればと心より願っています。

店主