Face to Face to Face展レビューNo.6  レビュアー:善名朝子

Face to Face to Face展レビューNo.6「尾張真理+納富馨子× 舟津明日香+永瀬智美」
レビュアー:善名朝子

同じ時代にアートをしている私たちに、大学や専攻の枠を超えたつながりを作りたい。それも、電子回路上ではなく、「対面」のつながりを作りたい。
そんな問題意識の中に端を発する「Face to Face to Face(F3展)」だが、3回目を数える本会期は、私の思いが最もかなった会期だった。

1階に二人、地下階に二人。本企画展中、展示者数という点では最も多い会期。
4人が顔を合わせることで、12通りの化学反応が生まれる期待があった。

F3展において二人で展示をおこなう場合、展示者たちは、自然に2通りのやり方に分かれることに気付いた。一つの空間に、二人がそれぞれに間借りする方法。もう一つは、二人が「同居」する方法である。尾張と納富は、後者の方だった。

 

■尾張真理×納富馨子展 ”おわりはじまり きょうこのごろ”

もともと、二人は2010年度の五美術大学交流展で一緒だった。お互いの人間性、作風の理解は、二人の名前をつなげた ”おわりはじまり
きょうこのごろ” という、ニクいタイトルにも表れているように感じる。

 尾張の大胆な色使いと、納富の繊細な筆遣い。
一見正反対に見えるが、色彩への貪欲な興味と、それを追求しようとする姿勢には、どこか共通点があるのではないか。

 3.11の大震災について、アーティストとしての自分を考えたという二人。
展示室にはチャリティのポストカードが置かれていた。
そして展示室の窓側には、天井近くに絵巻物のような、二人の共作が展示されていた。ハートや鳥、魚のモチーフが入り乱れ、表現する喜びを表現し、伝播させるような、色とりどりで優しい色彩である。

 お互いの作品と共作を共存させ、見事に空間を「シェア」した展示である。

 

■舟津明日香×永瀬智美

搬入時、地下階の薄暗い展示室には緊張が張り詰めていた。舟津と永瀬は、F3展の説明会で知り合ったという。学校は同じ、しかし面識はなかった。

 二人の作品が、お互いに間借りをしながら、空間にさらなる緊張感を生み出した。

 舟津の手縫いによる立体作品。
肌色と茶、赤という色が一見して人間を思わせる。それらは四角く押し込められ、細部をじっくり見てしまうと、そこにある物語を理解してしまいそうな緊張感に襲われる。それでも、指の隙間からこっそり見てしまうのが人の性である。

永瀬の作品にも不気味さが宿る。
マスタード色の球体には顔があるのか、だとすると、赤く流れるのは涙なのか、それとも。静かに、しかし確実に、画面の中では何かが起ころうとしている。そう感じさせる作品が並ぶ。

 搬入時に同席していた私は、邪魔だと分かっていながらも4人それぞれと話す機会をもった。私にとっても、自分自身の中で展示者の人柄と作品を結びつける貴重な機会である。
この4人にとっても、F3展に関わったことで、今までになかったつながりを結ぶきっかけを掴むことができたなら至上のよろこびである。

【Face to Face to Face 公式ブログ】 http://blog.livedoor.jp/f3_2011/ 

 

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